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梅雨時そしてオリンピックへ |
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| 愛知県ソフトボール協会尾張支部長 全尾張ソフトボール連絡協議会会長 岩田 満 |
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| 花の季節。街も野山も色とりどりに彩られて気分が晴れる。木々の緑がまぶしさを増し、明るい日差しが似合う季節になったと思った途端に梅雨入り。めまぐるしささえ覚える。梅雨時、空に鉛色の雲は厚く、青空がなかなか顔を見せない。日が落ちても同じこと。初夏の奥行きのある夜空に、輝く星座を眺めることは、楽しみのひとつ。気象予報によると、ここ数日はそんなささやかな希望も叶えられないようだ。 6月は、日の出が1年で最も早い。目を覚ますとまだ午前5時を回ったばかり。戸外は既に白々と明るい。水無月の今月、やがて入梅、夏至と向かう。紫陽花もいよいよ出番。気温や日照の恵みをもらい、どこの庭木もみずみずしい。春に開花した果樹類は実りのシーズンでもある。 今年はオリンピックの年、ソフトボールジャパンは早々とオリンピック出場を決めた。今度こそ金メタルの悲願をぜひ達成させたい。ロンドンの大会がないだけにソフトボール関係者の悲願でもある。だが、日本に限らず昔から庶民は政治に翻弄(ほんろう)されて生きてきた。スポーツ美の祭典という北京五輪も政治に翻弄され、さらに未曾有な大災害に襲われた。心配だ。 梅雨時、一番困るのは大会を開催する関係者だ。特に主管される協会、連盟の皆さんの苦労は並大抵ではない。それも全てボランティアで何日も前から、或いは早朝から、大変な努力だ。その多くの人達が老人といわれる60歳以上の人がほとんどだし、もちろん審判員、記録員も同じことです。大会に参加される関係者に、このことをぜひ理解して欲しいと思います。 ここで大会の主催、主管団体のことに触れておきます。私たちの団体は任意団体です。したがってこの団体の企画に賛同される皆さんが任意で参加していただいています。もちろん公共団体でも、いわんや法人団体でもありません。例えば大会中に事故、トラブルがあってもそれに責任を取るだけの能力も、また資産や財産もありません。大会中の応急処置とは平たく言えば怪我があった場合に「救急車を呼ぶ」その程度しか出来ません。そのことを責任者としてぜひ皆さんに理解してくださることを御願いいたします。 こんなこともあります。ある大会で主管された協会の会長さんがさるチームに試合後労をねぎらいに行ったら、「お前のところの審判員のおかげで負けた、よう勉強させとけ」と罵倒されたそうです。あえて申しあげます私たちが選んだ審判員のジャッジは「全て正しい」ことを前提に私たちは運営しております。 スポーツ大会の開会式ではよく、選手宣誓が行われる。最近は「お世話になった人たちのために」「見ている人に感動を与えるように」といった言葉を耳にする。以前は「スポーツマンシップにのっとり、正々堂々、最後まで戦う」が決まり文句だった。こんな例もある。ある女子のソフトボール大会で、ホームランを打った選手が一塁を回った際に足をけがして動けなくなってしまい、相手チームの選手2人に抱きかかえられてホームインする試合があった。アメリカのテレビニュースが伝えていた。ほんの数分間の短いニュースだったが忘れられない。動けなくなった走者に味方が手を貸せばルールに触れる。どうすればいいのか。そんな、とっさの場面で手を差し伸べたのが相手の選手だった。ルールには違反しない。しかし、けがをした選手を助けることで、手を貸した方は失点する。 競技スポーツでは勝つことが最大の目的だ。だが、このケースから、勝負を争う以前に存在するものがある、ということが伝わってくる。周りから感謝されるとか、喜ばれるとか、評価されるとかといったことは意識しない。目の前の相手を尊重しながら戦う。「スポーツマンシップにのっとり…」は、手あかの付いた表現のようだが、実は今日的で重いのではないか。 シーズンも佳境に入りました。どのチームも今が正念場かと思います。皆さんの今後の活躍を期待します。そして今しかできないことに挑戦し、この瞬間を大切にしてください。ただソフトボールには神様がいて、時には喜びを、時には試練を与えます。カンバッテ! |
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| 平成20年6月6日 | |