いままでに記載したコラムへ  

球春到来

愛知県ソフトボール協会尾張支部長
全尾張ソフトボール連絡協議会会長
岩田 滿

厳しい寒さの一方で、日差しは確実に強さを増している。3月中旬ごろまでは、寒暖を繰り返す周期的な天候が続くそうです。暖かい日もあるが、厳しい寒さは、いましばらく続くことを覚悟し、「弥生」の季節に浮かれることなく、体調を崩さない生活の配慮を心掛けていきたいものです。そういえば、わが家のサザンカはあまり大きくはないが、この季節、根元に赤い花びらのじゅうたんを敷いたように散り続けている。いや、役割を終えていさぎよく散ってしまった。その姿に共感し、冷たい北風と闘いながら散った花弁を掃き集める作業までが楽しくなる。

23年度の行事はすべて終了し、県協会も尾張支部(全尾張ソフトボール連絡協議会)もそれぞれ評議委員会、審判記録各委員会も原案通り承認され、それに基づき24年度の大会等各行事が行われることになりました。今年度は役員改選もありましたので、特に新しい気持ちと感覚をもって皆様の要望等に対処していきたいと思います。

球春到来です。しばらくは暖かな日が続くという。三寒四温を繰り返し、春が一歩ずつ身近になる。枯れ草に覆われていた田畑の土手に、うっすらと緑色が浮かび上がってきました。厳しい寒さに耐えてきたからだろうか、顔を出してきた新芽が今年は一層まぶしい。

いよいよ大会が一斉に開催されます。今は各チームの皆さんはトレーニングの真っ最中、今シーズンの飛躍をめざし、多くの感動を与えて活動されるのを期待します。

「十の力があれば六でやめとけ」。との言葉があります。周りの期待に応えようと力を振り絞り、すり切れ、燃え尽きる人もいるが、他人のペースや空気にとらわれない、自分なりの「ものさし」を手に入ればどんなに生きやすいか。スポーツは勝つだけが目的ではありません、自分たちばかりでなく、多くの人や周りの人により多くの感動を与えるのもスポーツです。ソフトボールも例外ではありません。

昨年我が県から全国大会で無資格選手を出場させ優勝を取り消された不祥事が発覚しました。こうした反省と再発防止のため、出場資格の登録条件をより厳しくなります。このことはともすれば大会が盛り上がらない原因になりますが、自己申告制度を悪用しチーム、選手があった以上やむおえない処置とご理解の上ご承知をお願いします。

まだ寒さ厳しい中でのスタートだが、チームの栄光を夢見る選手たちのモチべーションは高い。こうした皆さんに栄光あらんことを切望する。

そしてあの日(3月11日)が巡ってくる。東日本大震災から1年。誰もが特別な思いで迎える日になるでしょう。震災発生の午後2時46分、黙とうをささげる。私たちに何ができるのか、考える日にしたい。今年、被災地で春を待つ人々の心情は、これまでとは違う。気温が上昇する季節の到来を待ちわびることにとどまらない。春への心情的な思い入れはきっと強いはずだ。復興の歩みは順調か。惨劇から学んだ教訓を忘れてはいないか。地域の絆は強まったのか。それらが整った時、笑顔がはじける本当の春の訪れを心から喜ぶことができる。

2012年3月2日