2005年オフィシャルソフトボールルールの改正・修正点
 本年の主な改正点は、DPルールの全面採用と、男子捕手のプロテクター着用義務の2点である。
 DPルールは、今年11月のISFのルール改正に乗り遅れないためで、JSAルールもイエローボールの採用を除いて、
 ISFルールに沿うことになった。
 男子捕手のプロテクター着用義務は、安全重視を目的にISFに先駆けて採用した。
 
1.字句の修正  【(次の打者に対して)投球動作に入る前】 ⇒ 【次の投球動作に入る前】
               [ 関連 P9、P41、P42、P46、P57、P75、P88、P98、P102 ] 逐条の解説は省略
 
2.字句の削除  【不正交替の内、(4.不正選手の出場)を削除】
               [ 関連 (P14)R1−32−4. (P42)R4−7−(注)−C]
3.新設 
(1) R 3−3項 不正グラブの使用(P32)
<効果> 3項 (注2) 「投手が不正フラブを使用して投球したときは、不正投球となる。」
従来は、「打球や送球を処理したときに不正使用」となっていた。
[運用] 審判員が不正用具の使用を発見したときは、直ちに厳重注意して是正させる。
(2) R 3−5項 ボディープロテクターの着用義務(P33)
R 3−5−2 「捕手は、ボディープロテクターを着用しなければならない。」
従来は、「女子のみ着用義務があり、男子は着用が望ましい。」となっていた。
[背景] 男子の投球はスピードと威力があり、より高い安全性確保のため、ISFに先行した。
[運用] 指示に従わないときは、そのプレイヤーは試合から除外される。
[参考] マスクに日除け(サングラス)が着装されたものは、ルール上は問題ない。
(3) R 4−5 指名選手(P39−40)
R 4−5−6 「DPは、何時でもDEFO以外のプレイヤーの守備を兼ねることができる。その時、DPが守備を兼ねたプレイヤーは打撃のみ継続する。
R 4−5−(注6) 「DPが、DEFOあるいはそれ以外のプレイヤーの守備を兼ねている状態で交代、またはDEFOがDPの打撃をかねている状態で交代したときは、解除の通告がない限りは、そのままの状態を引き継いで交代したものとみなされる。」
R 4−5−(注6) 「DPが、DEFOあるいはそれ以外のプレイヤーの守備を兼ねている状態で交代、またはDEFOがDPの打撃をかねている状態で交代したときは、解除の通告がない限りは、そのままの状態を引き継いで交代したものとみなされる。」
[要点]
@従来のルールでは、DPが守備を兼ねることができるのは、DEFOの守備に限られていたが、本年度からDEFO以外のプレイヤーの守備も兼ねることができるようになった。
ADPとDEFOの関係は従来と変わらない。DPがDEFOの守備を兼ねたり、DEFOがDPに代わって攻撃に参加できる。このとき相方は試合から退き、プレイヤーは9人となり、再出場(1度だけ可能)したとき10人に戻る。
BDPがDEFO以外の守備を兼ねたときは、相方は試合から退かないで、打撃のみ行うことになる。したがってプレイヤーの数は10人のままである。
CDEFOはDPの打撃を兼ねることはできるが、DP以外のプレイヤーの打撃を兼ねることはできない。
DDPがDEFOや他のプレイヤーの守備を兼ねたままの状態で交代したとき、あるいは、DEFOがDPの打撃を兼ねた状態で交代したときは、解除の通告が無ければ、交代者がそのままの状態を引き継いだまま交代したことになる。
E解除の通告を怠って、相手チームから審判員に申し出があったときは、無通告違反で違反者は試合から除外され、失格選手になる。
FDPがDEFO以外のプレイヤーの守備を兼ねているときは、DEFOは攻撃に参加できない。このような交代はDP違反となり、そのプレイヤーは不正交代で試合から除外されて、失格選手になる。
 (4) R 6−5項 異物の使用(P53)
R 6−5−2 「投球する手の指にテープを巻いたり、手首や前腕部に汗とりバンド(リストバンド)腕輪、またはこれに類するものを着用してはならない。」
[運用] 医療目的のため、投手が投球する腕に肌色のサポーター、テーピング、バンドエイドの貼付は認められる。 ただし、ボールに懸かる指には貼付できない。
(5) R 8−4項 走者に安全進塁権が与えられる場合(P76)
R 8−4−1 [特例] (注)が削除され、タイムプレイになった。
[要点] 「二死走者満塁で、打者が四球を選んだ。三塁走者が本塁を踏む前に、打者走者が一塁を、一・二塁の走者が次の塁を走り越してタッチされ、第3アウトが成立した。」この場合、従来は安全進塁権があり、三塁走者の得点は認めたが、今年からはタイムプレイとなり、第3アウト成立後の得点は認めない。打者走者が一塁に進まないでいるときは、適宜の時間を取って進塁放棄とみなす。(ベンチに入ったり、守備に向かったり、整列したりしたとき。)
(6) R 8−4−2 本塁での走塁妨害(P76) ルールの再確認
 「本塁上で走塁妨害が発生し、妨害を受けた前位の走者が触塁する前に、後位の走者が本塁に触れた場合は、アピール権が残る。」ケースの処置について。
[結論]
@走塁を妨害された走者も、正しく本塁に触れないと得点は認められない。本塁に触れないでベンチに入った場合、野手が本塁に触球してアピールすれば、走者はアウトになる。
A走塁妨害を受けた場合でも、そのために走者が有利になることはなく、ただ安全進塁権が与えられただけである。
[運用] 
@捕手による走塁妨害が発生した場合は、ディレードデッドボール示し、野手を右手で指さして「オブストラクション」を宣言し、右手人差し指で、妨害を受けた走者に本塁触塁を促す。後位の走者が触塁後でも、触塁すれば、得点は認める。
Aその理由は、走塁妨害が無ければ、当然本塁に到達できたと判断できるからである。
(7) R 8−6 走者がアウトになる場合(P83)
R 8−6−5 「ボールインプレイ中、ボールデッド中にかかわらず、他の走者以外の者が走者の身体に触れ、走者を援助したとき。」
[要点] 従来は、「ボールインプレイ中の行為のみに適用し、しかもその走者に対してプレイが行われていないときはアウトではない。」
としてきた。本年からは、ボールインプレイ中、ボールデッド中にかかわらず、他の走者以外の者が走者を援助したときは、直ちに、当該当者をアウトにする。[例示] 次の事例で、三塁コーチと接触した走者の得点は認めるか。
(×) 打球が風に乗り場外ホームランになったとき、三塁走者に進塁を待つよう押し止めた。
(○) 場外本塁打を打った打者走者に、喜びのハイタッチをして、走者の背中を押した。
(×) 二死満塁で三塁打。三塁走者が本塁を踏んだ後、二塁走者の本塁進塁をコーチが援助した。その後に一塁走者が二塁を空過していてアピールアウトで第4アウトが成立。